2020年版日本人の食事摂取基準を解説

ダイエット・ワークアウト
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日本では厚生労働省から、主要な生活習慣病の発症予防、重症化予防、社会生活に必要な機能の維持・向上のため「日本人の食事摂取基準」が示されています。今回はその日本人の食事摂取基準の概要について簡単にまとめました。

策定されたエネルギーと栄養素の基準は「摂取が望ましいエネルギー量」と「欠乏が影響を与えている栄養素」、「過剰摂取が影響を与える栄養素」の大きく3つの括りから構成されています。
さらに栄養素については摂取不足の回避の目的から「推定平均必要量」、「推奨量」の指標が設定され、過剰摂取による健康障害の回避の目的には、「耐容上限量」、生活習慣病の発症予防を目的として「目標量」の指標が示されています。 これに「エネルギーの指標」を合わせた5つの指標について内容を見ていきましょう。

エネルギーと栄養素管理の3つの方針

摂取が望ましいエネルギー量

摂取が望ましいエネルギー量は摂取する食事の総エネルギーから算定され、その管理にはエネルギーの指標が策定されています。

欠乏が影響を与えている栄養素

欠乏が影響を与えている栄養素としてタンパク質、n-6系,n-3系脂肪酸、炭水化物,食物繊維、ビタミン、ミネラルが挙げられています。
タンパク質は肉や魚、卵類に多く含まれています。n-6系脂肪酸は大豆油やごま油に含まれており、n-3系脂肪酸は青魚に多く含まれます。食物繊維は穀類や芋類に多く含まれます、ビタミン、ミネラルは各13種類ずつあり、含まれる食品はそれぞれ違います。

過剰摂取が影響を与える栄養素

過剰摂取が影響を与える栄養素として、脂質,飽和脂肪酸,コレステロール、糖類(単糖または二糖に限る)、ナトリウムが挙げられています。
脂質は油脂全体を指し、飽和脂肪酸は肉やバター、チョコレート、パーム油などに多く含まれる脂肪酸のことです。コレステロールは動物性のレバーや卵類に多く含まれます。
糖類は果物や砂糖、はちみつなどが挙げられます。ナトリウムは主に塩のことです。

5つの指標

エネルギー

摂取が望ましいエネルギー量はエネルギーの指標から策定されており、BMIを元にしています。BMIとは[:Body Mass Index]の略で“体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数”を表し、体重kg÷(身長m)^2で計算されます。
総死亡率が最も低かったBMIと日本人のBMIの実態などを総合的に検証し、目標範囲を提示しています。

摂取不足の回避のための2つの指標

指標2:推定平均必要量

推定平均必要量は対象集団において測定された必要量の分布に基づき50%の人が必要量を満たす摂取量として定義されています。
つまり、反対にとられると50%の人はこれでは栄養素が不足してしまう指標になります。
これを補うのが推奨量の指標です。

指標3:推奨量

推奨量は対象集団において測定された必要量の分布に基づき97~98%の人が必要量を満たす摂取量として定義されています。
万人にあてはまる推奨量を策定することは困難ですが98%となれば特別な事情がない限りは当てはまると考えてよいのではないかと思うレベルです。

推定平均必要量、推奨量が設定出来ていない栄養素もある

推定平均必要量、推奨量は科学的根拠を元に設定されています。そのため根拠としての情報が乏しいものなどには定めることが出来ていません。今回推定平均必要量、推奨量が設定されていない栄養素としてはn-6系,n-3系脂肪酸、ビタミンD2、ビタミンE、ビタミンK、パントテン酸、ビオチン、カリウム、マンガン、クロムが挙げられます。
これらは推定平均必要量、推奨量が設定されていない代わりに目標量が設定されています。

目標量

目標量は前述のとおり十分な科学的根拠が得られていない場合に算定され、栄養状態を維持するのに十分な量として定義されています。

過剰摂取による健康障害の回避の指標

指標4:耐容上限量

耐容上限量は健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限として定義されている指標です。

生活習慣病の発症予防の指標

指標5:目標量

生活習慣病の発症予防を目的として疾患のリスク、生体指標値が低くなると考えられる栄養状態に達成できる量として算定

指標はどのように設定されているのか

指標は年齢、性別、身長、体重そしてその人がおかれているライフステージ(妊娠や乳児、高齢者など)によって設定されています。
自分の状態にあって指標を確認し年齢やライフステージの変化に合わせて指標を見直していく必要があります。

策定された指標の活用の基本的な考え方

自分の食事摂取状況をPDCAしよう

策定された指標を基に自身の食事を評価し、改善していきましょう
まず始めに食事摂取状況のアセスメント(分析)を実施します。そこから自信の食事(サプリメント含む)のエネルギーと栄養素の摂取量が適切か評価します。
ここからPDCAになります。上記の評価結果を基にPlan:エネルギー・栄養素摂取量の目指すべき値を計画する。Do:計画を実施する。Check:摂取が計画通りか、その値が妥当か評価検証する。Action:検証結果にもとづき計画を改善する。これを繰り返していきます。

活用には気を付ける点も

指標には誤差があることを理解しておく
測定者の過大報告・過小報告やBMIを指標にしている個人差、食品成分表示の限界などから今回集めている情報がすべて正確とは言えないため実際にPDCAを回しながら自分にとって過不足を判断していく必要があります。

完璧にやろうとしすぎないことが大事

エネルギーと栄養素の見直しは実施してすぐに効果が出るものは少なく徐々に体感するものです。そのため完璧を求めすぎると精神的に負担が大きくなってしまいます。長期的に食事を管理していくためにも無理なく続けられる範囲で実施してくことが重要になってきます。

最後に

今回は2020年版日本人の食事摂取基準の概要を解説していきました。今後、各栄養素についてそれぞれまとめていきたいと思います。

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