ボディコンテストに出場するにあたって、コンテスト前日・当日朝の過ごし方はとても重要です。
「前日の調整が上手くいかず、コンテスト当日に浮腫んでしまって腹筋や脚のカットがぼやけた印象になってしまった。。。」
「当日に食べ過ぎてお腹が張ってしまった。。。」
「前日に食べるとせっかくの減量が台無しになってしまうのではと不安になって筋肉にハリが出なかった」
など、最後の最後の調整というのは慎重になってしまう気持ちと、どこまでやればよいのかの判断がなかなか出来ないものです。
今回はそんな人のために外さないための2つのポイントと1例形式のマニュアルを作成しました。
この記事が皆さんの晴れ舞台への一助となれば幸いです。
■こんな人におすすめ
・コンテストに初めて出場する
・コンテスト前日・当日朝の過ごし方を知りたい
・コンテスト前日・当日朝の食事法が知りたい
ちなみにコンテスト当日の控室での過ごし方はこちらの記事にまとめました。
抑えておくべき2つのポイント
コンテストで身体の筋肉を良く見せる方法は、“筋肉を大きくする”、“脂肪を減らす”“筋肉を張らせる”、“浮腫ませない”です。
コンテスト前日から急に“筋肉を大きくする”ことや“脂肪を減らす”ことは出来ませんので、残る出来ることは“筋肉を張らせる”、“浮腫ませない”です。
今回のマニュアルの方法が自分に合わなかったり、もう一歩踏み込んだ対策をしたい時は以下の2つのポイントを意識して行ってみてください。
1、浮腫ませない
浮腫みの原因は様々ですが、コンテスト前で主に影響が大きいのは“重力による脚の浮腫み”、“塩分の摂りすぎ”、“水分の摂りすぎ”です。
重力に抗う方法は横になるか(寝る)、逆さまになるか、押し上げる(マッサージ・半身浴)かでしょう。
塩分については個人差があるので何とも言えませんが、参考になるのは厚生労働省発行の日本人の食事摂取基準で成人男性であれば8g/日未満、成人女性は7g/日未満が目標量です。
水分の摂りすぎは塩分との兼ね合いもあるのでこれも人それぞれです。
2、筋肉を張らせる(栄養を与える)
コンテスト当日、筋肉のハリを左右するのは前日からの食事です。
基本的にはカーボローディング(炭水化物を摂取しグリコーゲンを蓄える)が主流ですが、当日には脂質を徐々に交えていきながら筋肉のハリをより良いものにしていきます。
また、筋肉を張らせるためには塩分と水分も重要になってきます。
これは“浮腫ませない”とバランスを取りながらおこなわなければいけません。
そのため前日~当日朝にかけて食事内容は変わっていきます。
そのあたりについてはマニュアルで1例をご紹介していきますので参考にしてみてください。
過ごし方マニュアル
前日朝
炭水化物を中心に摂取
メインの食事は炭水化物(糖質)です。
まずはしっかり身体にグリコーゲンを蓄えます。
糖質量で80~100g前後が目安になります。
コンテスト前日入りなどで自宅ではない人もいると思います。
餅やはちみつは糖質の量に対してかさばらないため便利です。
餅はタッパーに浸るくらいに水を入れてレンジでチンすれば食べられます。
水分も少ないため水分調整にも便利です。
水分は摂る
午前中は普段通り水分を摂取していきます。
500mlくらいまでが1つの目安でしょうか。
水やお茶など塩分や糖質など余計なものが含まれていない方が調整しやすいので良いでしょう。
塩分は控えめに
1日の塩分摂取量を調整するためにも朝食では塩分は無しくらいがちょうど良いです。
塩分の効果は即効性が高いためコンテスト当日でも身体は良く反応します。
前日朝から摂取するのは浮腫みの原因になりやすいです。
食事に調味料を使いたくなると思いますがだいたいのものに塩分が含まれていますので控えましょう。
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前日昼
炭水化物を中心に摂取
昼食もまだ炭水化物メインで良いです。
朝と同じように糖質量で80~100g前後が目安に摂ります。
水分は徐々に減らす
ここからいったん水分を抑え始めます。
当日の反応の良さを上げるためと浮腫み対策です。
昼から寝るまでで500mlほどが目安でこまめに摂取します。
午前中飲みすぎたなと感じる人やむくみをすでに感じている人はコーヒーなど利尿作用のあるものから水分を摂るのも良いでしょう。
一般には水で問題ありません。
塩分は控えめに
ここでも塩分はそれほど必要ありません。
食べる物に少量含まれているのは仕方なく摂るくらいの感覚です。
前日夜
炭水化物と脂質も
ここで炭水化物だけでなく徐々に脂質を交えていきます。
魚や肉などに含まれている脂質で10~20g程度までを目安に摂取します。
脂質がハリにどのように影響しているかメカニズムは良く分かっていないところが多いですが、炭水化物は起爆剤としての効果が高く、脂質は燃焼期間と効率を上げてくれるイメージです。
塩分を少々
塩分を少し混ぜていっても良いでしょう。
脂質の摂取の際に含まれる塩分を気にせず摂る、または塩分が含まれていない場合は2,3g混ぜるといった感じです。
水分はだいぶ控えめに
昼から摂取している水分が足りなかった場合は追加でコップに少量100ml以下くらいで留めておきましょう。
+αでやっておきたいこと
利尿作用のあるカリウムを摂る
浮腫みが気になる人はプルーンやバナナなどカリウムが含まれている食材を摂取しましょう。
おやつ代わりにこまめにとっても良いです。
夕食に脂質を摂取する+カリウムが含まれる牛肉を食べるのも良い選択になります。
脚のマッサージ
1日の重力を受けて少なからず脚が浮腫みます。
軽く手もみをしてあげたり、軽くマッサージローラーでコロコロしてあげると良いでしょう。
強くやりすぎてあざや揉み返しにならないように優しくが基本です。
半身浴
ぬるま湯で30~1時間半身浴をすることで血行がよくなり浮腫みの改善効果があります。
こちらも汗を掻くため無理に入り続けることは避けましょう。
当日の朝でも血行促進効果が効きますので夜または朝、またはどちらもと言う人もいます。
夜に入って、翌日朝の状態を見ながら入るか判断しても良いでしょう。
しっかりと寝る
コンテスト当日は疲れることもありますが、浮腫みを取る最大の方法は寝ることです。
しっかりと睡眠の時間を取りましょう。
少なくとも12時には寝ましょう。
当日朝
脂質と炭水化物を摂取
当日の朝食は夕食同様に脂質も摂取します。
塩分も少しずつ
ここも前日の夕食同様に肉や魚に塩分を加えて摂取すると良いでしょう。
失敗するリスクも少しありますが、ファーストフードの牛丼や、お寿司なども塩分、脂質、糖質が取れるので出先でのコンテストであれば選択肢に挙がります。
水分も少しずつ
ステージの時間に合わせて1L程度を目安にこまめに摂っていきます。
ここでは朝食、コンテスト前の塩分量を気にしつつ摂取可能範囲であればスポーツドリンクなどを利用するのも良いです。
水よりも吸収効率が良いのでステージ前だけでもスポーツドリンクなどを持っていると重宝します。
脱水には十分注意を!
浮腫みを気にするあまり前々日などから水分を控える人もいますが脱水症状を引き起こすリスクが大幅に上がります。
コンテストにかける思いは分かりますが、塩分の調節カリウム摂取、睡眠などをしっかりすれば水分による浮腫みは大きな原因になりません。
ちょっとでも脱水っぽい症状が現れたら無理せずに水分を摂りましょう。
水分摂取を恐れ過ぎず、そのほかの部分でケアをしましょう。
タンパク質は必要?
コンテスト前日から当日に欠けて急激に筋肉が落ちるということは無いのでタンパク質の料などは気にする必要は特にありません。
反対にタンパク質を意識しすぎて「肉を食べるために塩分を摂りすぎてしまった」などが起こらないように注意しましょう。
脂肪の蓄積は1日では起きない!
前日、当日で筋肉が急激に落ちないのと同じように、脂肪もそれほど急には付きません。
前日の炭水化物は最低でも300~500g程度は摂取し、グリコーゲンをチャージする必要がありますが、この時「太るのでは?」と心配する必要はありません。
反対に“筋肉が張らない”とならないように十分な栄養を摂取することを意識しましょう。
浮腫みとナトリウム、カリウムの関係
“塩分を摂ると浮腫む”というのはだいたい合っていて、少し誤りがあります。
実際は“ナトリウム(塩分は塩化ナトリウム)とカリウムのバランスが乱れて吸収側のチャネルが優位に開き水分を溜め込む”からです。
ナトリウムは細胞に水分や栄養を取り込むためのチャネルを開きます。
反対にカリウムは細胞から余分なものを吐き出すためにチャネルを開きます。
この相反する作用が平衡状態であれば浮腫みませんがナトリウムが優位になれば浮腫みが発生します。
そのため塩分を摂ったら、その分カリウムを摂ることが重要になります。
最後に
いかがでしたでしょうか。
マニュアルについては1例な部分もあるため万人に当てはまらないところもあると思います。
出来れば1週間前までにコンテスト模擬の調整が出来ることがベストです。
コンテストの最終調整はその時の自分の状態でも変わっていきます。
今回のマニュアルをベースに自分アレンジが出来ると良いでしょう。
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